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長崎出身の井上史さんは早稲田の大学生で、アメリカのメリーランド大学に留学しています。 彼女は、故郷長崎を舞台にした「アンゼラスの鐘」の完成を喜び、メリーランド大学での上映会を企画しました。そして、大学教師や学生たちに働きかけ、協力も得て2008年の4月末に、「NAGASAKI1945 アンゼラスの鐘」を大学内で上映しました。おおよそ20名の学生たちが映 画を鑑賞し、上映後に二度のデスカッションを持ったそうです。学生たちは、感想文を井上史さんに寄せて下さったそうです。それを井上史さんが翻訳して、有原監督に届けて下さいましたので、ここにご紹介します。写真の左端が井上史さん。 メリーランド大学生たちの「アンゼラスの鐘」を見ての感想 翻訳&写真提供 井上 史 1.映画の主催を手伝ってくれた法学部出身のアメリカの学生 この映画は、原爆教育がアメリカの学校でされるときに、すべての子どもに見せられるべき素晴らしい映画です。映画「アンゼラスの鐘」は、人類愛のために原爆投下がいかに偉大なものだったのかと考えさせるかわりに、その歴史的事実を我々アメリカ人に人間的に訴えてくる。 ![]() 2.日本人留学生 日本人として、物理を学ぶものとして、そしてアメリカで人びとと接する機会に恵まれた者として、長崎・広島の原爆投下の悲劇を忘れずに、もっと史実について学び、人と話し合うことがこれから必要になるであろうということを自覚しました。悲しい側面を持つ歴史から目を背けないことが大切であることを心に留めておきたいです。 3.中国人留学生(日本語を勉強した経験があるそうで、日本語で書いてくれました) 何か気持ちは複雑だった。原子武器を受けた町と人びとはそんなに暗い生活をして、今日は初めてしてるぞ(?)。もう戦争のことはやめよう。長い平和をきっと祈り続けましょう。中国人として我もおじいさんとおばあさんからいろいろなことを聞いた。家族が死んで、家がなくなって、みな戦争のため、つらいでしたよ。日中の間はもう戦争は一度もいやだと思う。世界は原子武器が危ういという厳しい現実を了解しなければならない。 ![]() 4.アメリカ人学生 この映画を観ながら本当に胸が痛みました。すべての死が悲劇的で、特に子どもが病気で死んでいく姿を見るのは本当につらかったです。この映画は私がこれまでに受けてきたどの歴史の授業よりも原爆の史実を教えてくれました。私の「アメリカ的なもの」を恥にさえ思いました。 5.アメリカ人学生 アニメーションではありましたが、この映画は非常に感動的でした。この映画は、世界に十分に知らされていない死の灰の被害と原爆の破壊力の詳細を明らかにします。また、アニメーションで描くことで、見ることへの苦痛を軽減させ、その一方で、原爆がもたらす影響を詳細に伝え、戦争とそれがもたらす影響を人間的に描きだす。そして徐々に、核戦争が引き起こすであろう荒廃したイメージを彷彿とさせる。 6.日本人留学生 今回のように、アメリカ留学中に広島・長崎の原爆被害についての映画を見ることになるとは、思いもしませんでした。これまで原爆について日本で話し合うことはあっても、他の国の人びとと話し合うことはなかったので、貴重な体験ができました。この映画が今後もアメリカの大学等で上映され、日本から見た原爆をアメリカの人びとに知ってもらえることを願います。二度と原爆が使用されませんように・・・・。 ![]() 7.アメリカ人学生 かねてからも、核兵器が何度も世界を破壊しうるだけの威力を持っていることは知っていましたが、この映画は核不拡散における私たちの役割を教えてくれました。私はこれまで、原爆が投下された広島・長崎いずれの都市に住んでいた人たちの、私的な声を聞いたことがなかったので、映画ナガサキ1945が描いてくれた視点に非常に感謝しています。 8. アメリカ人学生 フミ、日本の視点からヒロシマ・ナガサキについて学ぶ機会を与えてくれてありがとう。学校で原爆投下の史実が語られるとき、私たちはいつも「原爆はまさに『悲劇』だった」と学びました。しかしその言葉だけでは、ヒロシマとナガサキで本当に何が起こったのかを説明できません。広島・長崎の原爆被害は今日も顕著に現われているのに、世界の政治的指導者たちはまだその事実に見向きもしないほど無知です。人間は歴史から学ぶのだとよくいわれますが、私たちはまだ核競争のただなかにいるのです。この映画は、原爆が投下された日とそれ以降の日々の出来事の一端を伝えてくれました。私はいま、この問題についてもっと学ばなければという気持ちに駆られています。映画監督のお友達に、私に大切な教育をしてくれてありがとうと伝えてください。 9.韓国人留学生 私は自国で原爆は韓国を解放に導いた日なのだと学んできましたが、日本の人がこんなにも原爆の被害で苦しんでいたのだとは知りませんでした。これからは、世界平和のために一緒に力を尽くしましょう。 10.アメリカ人学生 長崎の人々の計り知れない苦痛の描写よりもさらに印象的だったのは、生き残った者たちの勇気と生きることへの執念です。どんなことがあっても生き抜のだ、どんなに悲劇的で絶望的な状況でも乗り越えてゆくのだ、という―。勇気ある母親が、両腕をぼろぼろにしながら、火のくすぶる屋根の下から我が子を助け出したのに、その子どもたちが放射能の致死的な影響によって死んでいく姿を見ることしかできなかったシーンがは、非常に衝撃的でした。 何よりも大切な生命と人間の尊厳は、無慈悲で非人間的な兵器の存在によって甚だしく軽視されています。このような技術の継続的な開発と使用は人類の完全たる破壊しか保障しません。―それは決して、平和や公正、安全を保障するものではありません。 残念なことに、兵器は世界を消滅し続ける恐れのある暴力の病の最も顕著な兆候でしかありません。日本政府がアメリカ人への報復に成功したのだと報告する町の人に対して秋月先生が叱り飛ばすシーンが忘れられません。兵器を敗北させるために、私たちは、兵器の開発と使用の論理的根拠を敗北させなければならなりません。私たちは平和がすべてで、侵略は何にもならないだと主張しなければいけません。 写真は、鑑賞会とデスカッションを支援してくれたゼミの先生。
有原監督から紹介があった、ニューヨークの子どもたちのメールを掲載します。 この子たちは、セント ルークス校の12才から14歳の子どもたちで、「アンゼラスの鐘」を学校で見て話し合い、ニューヨーク出身の二人の上院議員に「核兵器開発予算に反対し、廃絶のための行動すべき」という手紙を全員が書いた子どもたちです。 有原監督は、次のように紹介しています。 「11月21日、長崎市での国連上映報告会で、わたしがこの子どもたちの活躍を告げたところ、被爆者を含む100名ほどの参加者から喜びの声と拍手が挙がりました。私はその報告会の様子を、聖ルークス校の生徒たちに知らせたのですが、その中で私は「被爆者の核兵器廃絶の行動を支えているのが憲法九条であること」に触れました。すると、その一週間後、その生徒たちから次々とお礼の返信が届きました。すばらしいクリスマスプレゼントです。」 ニューヨーク セント・ルークス・スクールの 生徒たちからのメール 1~14までの翻訳者 前川智子 15~17の翻訳者 鈴木むつ子 1)Khadejah L Roulston この映画を作ってくださって有難うございます。この映画を見る前は戦争や核兵器のことをあまり考えていませんでしたが、見た後、とても影響を受けました。(原爆で)人々があんなに死んだりしていたとは知りませんでした。見終わったとき涙がいっぱいでしたが、世界の全ての暴力を止めるために行動を起こしたいと思いました。銃を持って銃火に対抗すれば、ますます火は強くなります。相手を殺しても何にもなりませんが、座って話し合えばとてもいい結果が生まれます。 2)Sonia Lawrence. 有原さんこんにちわ。ソニア・ローレンス、12歳です。ニューヨークに住んでいます。ヒラリー・クリントン氏に核兵器製造を支持しないようにと手紙を書いた一人です。あの映画を見てとてもよかったと思いますが、すごく悲しいです。私の両親は以前日本に住んでいたことがあります。二人ともアメリカ人でアメリカで生まれたのですが、結婚する前に日本に行き一緒に住んでいました。とても美しい所だといっています。私もいつか(日本に)行きたいです。お手紙有難うございます。皆とても喜びました。私はボランティアとしてエイズに罹っている人々の手伝いをしたいと思います。有原さんの絵も好きです。有難うございます。 Sonia “君は私のことを夢想家だというかもしれないが 私だけではないよ”(注) (注)これはジョン・レノンの歌「イマージン」の一節です (前川) 3)Madeleine Steinberg 有原さん、こんにちわ。お手紙有難うございます。私はセント・ルークス・スクールの7年生です。私たちの行動が人々に影響を与えていること、特に苦しんでいる人々を幸せな気分にしていることを知ってとてもうれしいです。「ナガサキ1945」はとても感動的な映画で、私たちアメリカの子供たちがこのような映画を見ることはとてもいいことだと思います。というのは、それは歴史の一部だからです。また、核兵器がもたらした被害を忘れないことは大切なことです。有難うございました。 4)Hanna Chipman 有原様 私はハナ・チップマンといいます。セント・ルークス・スクールのアレン先生の生徒です。私たちは、核兵器(製造)に資金援助をしないようにという手紙を(ヒラリー)クリントンさんに出したほか、バーガーキング社長には、ルーカス・ベニテツさんのトマト摘み労働者の権利を守る運動を支持するよう訴える手紙を出しました。この人たちは32ポンド(約13、5キロ)のトマトを摘むのに40セントしか貰っておらず、この金額は生活するのに不十分なのです。その上、ひどい扱いを受けていて、ぶたれたりします。ルーカス・ベニテツさんと仲間はマクドナルドとタコベルに対して、トマト労働者の賃金を上げるよう要求しています。 私たちの行動が長崎の人たちに喜ばれたことをとても嬉しく思います。「ナガサキ1945」はとてもよかったです。どうぞ平和のための努力を続けてください。有難うございました。(7年生) 5)Sophie Mancini 有原様、ソフィ・マンシニといいます。核兵器と戦争廃絶の集会に参加したセント・ルークス・スクールの7年生です。有原さんの手紙を頂きました。すばらしい「ナガサキ1945」の作品を通して有原さんの仕事に私が関われたことをどんなに誇りに思っているかを伝えたくてメールを書いています。私も学校の皆も、核兵器製造を中止しようとしており、有原さんがこうして協力してくださることに感謝しています。私たちは皆、相手を攻撃する代わりに、暴力を阻止し世界平和を広めようとしている広島と長崎の被爆者を深く尊敬しています。このようにして被爆者のお手伝いをすることを誇りに思います。正しいことをして下さって、また、この映画を作ってくださって有難うございます。 6)Lily Yarborough 有原様、親切なお礼状を有難うございました。あの映画は深く心を突き刺すと同時に何か元気の出る作品です。私たちが、世界で何か良いことをする機会、一緒に行動する機会があるのだということを示してくれました。原爆被爆者は私が今までに会ったり、思い浮かべたりした中でもっとも勇敢な人々の中にはいります。当時の強さばかりではなく、身体的・精神的苦痛をまだ持っているのでそれを語ることができない現在の強さも、感動的です。真実のため、平和のために戦っておられることは素晴らしい。私たちは、第二次世界大戦中に起きた全ての恐怖が、平和こそが最善の道だということを常に思い出させるものとして存在することを祈るばかりです。日本国憲法9条はそのような方向に進むための大きな一歩で、有原さんと同じように私も、ほかの国がその考えを素晴らしいと思い始めてくれたらなと、思います。有難うございました。 7)JDCJL25 有原誠治様、私は「ナガサキ1945」を見せてもらったセント・ルークス・スクール7年生です。映画を見て悲しくなり、ショックを受けました。長崎のことは聞いていましたが、戦争の本当の悲惨さを理解していませんでした。秋月医師の話のような勇気ある話を聞いたことがありませんでした。映画を見た後で、クリントン氏に、核兵器を使わないようにという手紙を書きました。今日、有原さんの手紙を読み、被爆者が私たちのことを知ってくれたことを聞き嬉しくなりました。日本国憲法9条にほかの国も加わることを願います。映画を見せてくださって、また、私たちが(世界を)変えるお手伝いをしていただき有難うございます。 8)Victoria Malloy 有原様、こんにちわ! セント・ルークス・スクール7年生です。アレン先生と私たちにお便りを有難うございました。(長崎での)集会で私たちのことを話され、会場の100名の方が拍手を送ってくださったと聞き興奮しました。私たちはクリントン上院議員に手紙を書き、議員からは、私たちのような子供が世界のことや政府のことを気にかけることはとても素晴らしいことだと返事をもらいました。 今私たちはアメリカの現代奴隷に注目しています。バーガーキングの社長に手紙を書き、フロリダ州のトマト収穫労働者の労賃が低いことを訴えました。このような労働者は一人当たり(一日に)50ドル(約6,000円)を稼ぐためにバケツ一杯に32ポンド(約13、5キロ)のトマトを(100杯以上)摘まなければならないそうです。バケツ一杯につき45セント(約50円)しか払わないし、ひどい労働状況です。たくさんのトマトを使う、タコベル、マクドナルド、バーガーキングなどの大きなファーストフードレストランにとって、これは大きな問題です。私たちは、このような企業に、トマト労働者の賃金を上げるようにと頼んでいます。 また、お便りを書いてください。私たちの手紙がどのような効果を出すのか楽しみです。また、日本での核兵器問題の動きを引き続き教えて下ださい。ありがとうございました。 9)Nicholas Smith こんにちわ、セント・ルーカス・スクールの生徒です。核兵器廃絶のための私たちの努力を認めてくれて有難うございます。 10)Emily Stewart 有原様、私たちが「ナガサキ1945」を見たことで被爆者が喜ばれたことはうれしいです。映画を見るチャンスを下さって有難うございます。私たちはこれからも核兵器について感心を持ち続け、行動して行くつもりです。被爆者を尊敬していることをお伝えください。そして、(私たちの行動が)核兵器使用に変化をもたらすようにと望みます。 11)Nick Wilson 有原様、親切なお手紙を有難うございます。私たちがしていることが人々に影響を与えていることを知って嬉しいです。私たちは核兵器をなくすようにしていこうと思っています。感動的な映画を有難うございます。もっと多くの人々に核戦争の危険と怖さを伝え、行動をとるように影響を与えてください。 (リディアの息子) 12)Abigail Dugan 有原様、「ナガサキ1945」を見せてくれて有難うございました。映画を見て、第二次世界や核兵器のことが分かりました。絵もアニメも素晴らしい。私たちが応援していると、長崎の被爆者に伝えてください。 (8年生) 13)Sophia Washburn 有原様、私は8年生です。お手紙有難うございました。映画はとても感動的で、私たちを大きく変えました。日本国憲法9条も良かったです。ほかの国も(この憲法の)、戦争をしないという偉大な約束を取り入れるでしょう。 14)Henry Butler 有原様、こんにちわ。わたしは、ヘンリー・バトラー、8年生です。私は、広島・長崎の原爆のことは知っていたし、それは恐ろしいことだということも、二度と起こったらいけないことだとも知っていました。しかし、「ナガサキ1945」の映画を見るまでは、原爆が市民に及ぼした身体的・精神的苦痛については知りませんでした。今では、アメリカ人がいかに恐ろしいことを行ったのか、いかにひどい痛みをもたらしたのかを知っています。映画を見て、世界の全ての核兵器を廃絶すべきだという意見を全面的に支持し、その強い気持ちをクリントン上院議員に宛てた手紙に書きました。私たちの行動によって、核戦争を止めさせることができることを望んでいます。「ナガサキ1945」を有難うございました。 15)Lidia Terillo 有原様 お手紙をありがとうございました。私は、あの映画をエンジョイしてみ、又映画から多くのことを学びました。又、沢山のお時間をかけてあの映画をつくって下さったことに感謝をしています。お時間を私たちのためにさいてくださりありがとうございます。 心を込めて(感謝を込めて)Lidia Terillo 16)Camellia Hartman 有原様 私の名前はCamellia Hartmanです。私は、最近、監督の作品、長崎1945を上映したSt.Luke'sの8年生です。 映画の画像そのものは、美しくそして人の心をとらえるストリーだとおもいました。でも私は、多くのシーンで被爆者の方々の苦しみを感じ大声で泣きたい気持ちになりました。あの作品は、私の心にためこんであった沢山の感情を刺激しました。又、あの作品によってアメリカが長崎を攻撃したことに関して多くのことを学びました。 映画をみた後、みんなでクリントン議員、シューマー議員(注)に手紙を出しました。私は、核廃絶のために努力をするつもりです。そして、何時の日かこの世界から恨み、戦争、そしてマッシュルームの雲(原爆)がなくなる事を夢みています。 私たちのクラスに大切な知識をくださり、本当にありがとうございました。私も次の世代のために戦い続けるつもりです。 心から(感謝を込めて)Camellia Hartman (注)この2人が現在、NY州の議員です。(翻訳者 鈴木) 17)Pauline Rainwater 有原様 私達に素晴らしい映画をみせてくださり、ありがとうございます。あの映画を見たことを誇りにおもいます。みんな、あの映画を見て感動すると同時にあの悲しい事件を映画につくってくださった監督の勇気を賞賛します。(高く評価します。)私たちにこういったこと(核のおそろしさ、戦争の悲しみ)を自覚させて下さったことにも感謝いたします。この映画をみんなにみてもらいたいという強い気持ち、そして映画を見た人達の言葉が色々な場所にひろがることによって多くの人たちがこの感動的な映画をみて核の恐ろしさをしる事になると信じています。ありがとうございました。 今後ともよろしくお願いをいたします。 (連絡をしあいましょう)ポーリン
10月末にあった国連軍縮週間に、「アンゼラスの鐘」が国連の中で上映されました。その報告が、上映会に参加した有原監督より届きましたのでご紹介します。 国連上映と思いがけない反響 「NAGASAKI1945 アンゼラスの鐘」監督 有原 誠治 (写真提供 KFTFカメラマン 佐々木優子さん) 10月25日木曜日のニューヨークは、朝からときおり雨がぱらつく曇天でした。 昼の12時過ぎ、わたしたちはタイムズスクェア近くの宿、St` JAMUS HOTELから、迎えに見えたキッズ フォー ザ フィーチャ(KFTF)の酒井良和事務局長と山本徹会長の案内で45番ストリートを国連に向かって急ぎました。 ![]() 国連に到着すると、空港並みのセキュリティチェックが待っていました。手荷物を手渡し腰のベルトまで外させられます。上映会の時間が迫っています。国連本部の中を早足で急ぐのですが、ブロックからブロックへ移動する間にもチェックがあり、閉口しました。2001年9・11の影響とはいえ、国連にまで人間不信がはびこっている現実に、「世界平和は遠いなぁ・・・」などと余計なことを呟いてしまいました。 国連本部内に、「アンゼラスの鐘」のポスターを見つけました。そこが上映会の受付で、やっと"国連上映”の実感が湧いて来ました。上映会の主催は、日本国政府代国連表部、国連軍縮部、NGO軍縮。後援に虫プロダクション(「アンゼラスの鐘」製作委員会)とKFTF。国際交流基金の支援がありました。 観客でいっぱいだった会場 ![]() 会場である国連内のハマーショルド記念図書館講堂にたどり着くと、すでに大勢の観客が待っていました。日本の小寺国連大使、NGO軍縮のロンドン・マサコさん、NYヒロシマ会の古本さんらと慌ただしく挨拶を交わす間にも、国連国際学校の高校生たち70名ほどが来場し、170席の観客席は埋まりました。階段は日本のテレビカメラ、NTV, TBS,FUJI,などメディア関係者が陣取り、関心の高さがうかがえました。 司会のマイケルさんの紹介で、日本政府代表部小寺次郎国連大使、国連軍縮部ハンネローア・ホッピー(Hannelore Hoppe)上級代表副責任者のスピーチがあり、続いて、長崎からわたしたちに同行した高校生平和大使の草野昂志郎君が壇上で、長崎市長のメッセージを小寺大使に手渡しました。そして、草野君のスピーチです。 彼は、長崎市民が支援して完成した「アンゼラスの鐘」の上映会開催へのお礼を述べながら、被爆三世としての核兵器の廃絶を訴え、平和な社会の実現をめざし高校生一万人署名に取り組み、ジュネーブの国連に毎年届けていること。9・11グランドゼロを訪問して感じた「命の大切さ、平和への思いを分かち合いたい」と堂々とスピーチをして、会場から盛んな拍手を受けました。草野くんの参加について 国連上映が実現しつつあった9月中旬、わたしたちは国連上映に被爆者の参加を願い、元長崎大学長の土山秀夫先生を介して被爆者の派遣を長崎市に相談しました。しかしながら、準備期間があまりにも短いことや、ご高齢となった被爆者の方には12時間にも及ぶ長旅が心配なことなどから断念せざるを得ませんでした。それを知った長崎市民の中から、「被爆者に代わって高校生平和大使の派遣を」との声が上がり、急遽、長崎西高校2年生の草野君の派遣が実現したのです。(新聞の画像をクリックすると、拡大して読みやすくなります) スピーチを終えた草野君へ温かい拍手を聞きながら、わたしは彼が参加して本当に良かったと思いました。草野君を通じて、観客はナガサキの映画をより身近なものとして受け止めることができるはずだからです。 進行プログラム上の問題 続く二つの音楽の演奏は、演奏者にも観客にも気の毒でした。映画との関連が不明だったことや、事前に演奏があることを知らされていない観客もいて、一部が帰ってしまいました。その中に、平日の午後、仕事の合間をぬって見に来ていたニューヨークの映画人が数名いたことは後から知ったのですが、とても残念なことでした。今回の国連上映は、昨年11月に虫プロと契約し、アメリカで「アンゼラスの鐘」の上映普及を担当しているニューヨークのNPO団体KFTFが国連関係者に働きかけて実現しました。ですが、国連受け入れ側の方との意志の疎通がうまく行かず、映画鑑賞がメインと思って参加した方々の期待とずれたプログラム構成となってしました。 KFTF(キッズ フォー ザ フィーチャー) KFTFは、異文化の子どもたちの交流を促進し、戦争のおろかさや悲惨さを学んだ子どもたちが戦争のない社会作りをめざす手伝いする団体として3年前に誕生しました。代表を務める山本徹氏は、ニューヨークで活動する企業家ですが、ニューヨークを訪問したわたしたちに、「母が広島の被爆者で、妻のお義母さんがテンフィート運動の活動家で、そのお義母さんから「人間を返せ」のドキュメントをゆずり受けたことなどがきっかけとなりKFTFを立ち上げた」と、語ってくださいました。(http://www.kftf.org/aboutKFTF_J.html KFTFのサイト)デスカッションで積極的だった発言 映画の上映が終わると、静まり返っていた会場から大きな拍手が上がりました。上映会ではいつもほっとする瞬間ですが、今回は違います。虫プロの伊藤叡社長とわたしのスピーチと会場とのデスカッションが待っています。 壇上に座ると、ここでも思いがけないことが待っていました。予定されていたわたしたちの発言は突然省略され、司会と通訳によっての英文原稿代読で済まされてしまいました。事前に説明がなくてちょっと戸惑ったのですが、時間が押していたので止むを得なかったのかも知れません。 しかし、観客席からの発言は期待以上のものでした。「わたしたちに何を期待するのか?」、「若い人々に希望することは?」「どこに問い合わせたらよいのか?」こうした意見には「この映画の上映鑑賞の機会を広めて欲しいこと。」「問い合わせにはKFTFが応じます」と伊藤社長が答えました。最も印象的で、映画会が成功したなと実感したのは、会場のご婦人が立ち上がり「子どもが通う学校で「アンゼラスの鐘」を上映したが、映画のメッセージに子どもたちがとても感動した。もっと、多くのところで上映会を実施して欲しい」と訴え、拍手があがったときでした。 ロビーで出会った人々 予定の4時を過ぎ、上映会後はロビーでの交流や取材が待っていました。文字通りのロビー活動です。わたしはフジテレビの取材に「国連での上映をどのように思うのか」と聞かれ、「とても名誉なこと。これを機会に映画上映の機会が広がってほしい」と答えました。若い草野君は、TBSやNTVの取材を受けていましたが、大役を終えてほっとしたのでしょう。実にいい表情をしていました。 KFTFの佐々木優子カメラマンが後日送ってくださった写真には、高校生ぐらいの若い観客たちがインタビューを受けている様子が何枚もありました。予想していなかったことでした。彼や彼女たちと交流する機会を逃したのは、とても残念なことでした。 このロビーで、ニューヨーク在住の鈴木むつ子さんと初めてお会いしました。彼女は「すばらしい映画を作ってくれてありがとう。メッセージがとてもパワフルです。わたしの子どもたちが通う学校で見せましたが、子どもたちはとても感動し、好評でした。他の学校での上映の機会も作ります。友人のリディアがニューヨークの映画祭(International Film Festival for Kids, Animation Field)にエントリーするよう準備しています」などなど、とてもうれしいニュースを告げて下さいました。会場で「学校で上映した」と発言された女性が、友人のリディア(Lydia Andre)さんだとのいうことや、上映前の催しが長くて、誘った友人(映画人)数名が怒って帰ってしまったことなどを教えてくれたのも彼女でした。 わたしは鈴木さんに感謝しながら、今日の観客や子どもたちの感想をメールで送って欲しいと、厚かましくもお願いしました。そして、帰国してから数日ごとに、鈴木さんからびっくりするような嬉しいニュースが次々と飛び込んで来るという事態が続いています。 では、その内容を日を追ってお知らせします。メール文のカラーやアンダーラインはわたしの方で付け加えております。 鈴木さんのメール(10月28日) > ”Animationも美しく、実にPowerfulな内容で、戦争、核の恐ろしさが切実に伝わってくる” ”大人がみてもショッキングで、製作者の意図は、十分に伝わる” ”画像が美しく素晴らしい、母親が命をかけて救った子供達がつぎつぎと死んでいくシーンは、涙が止まらなかった、多くの次をになう子供達のみでなく大人にもみてもらいたい” ”イランの問題がある今、この映画は、実にTimelyだと思う、多くの人に見てもらいたい、特に核の恐ろしさをあまり自覚していないアメリカ人には、特にみせるべきだと思う” ”ほとんど知らなかった核の恐ろしさを本当に実感として感じた、非常に貴重な経験をした、又この映画は、とても子供達にとってEducationalだと思う” ”とにもかくにもアメリカ中の多くの子供達に見てもらいたい” 多くの学校で上映をしてもらいたいと願っています。 私達も協力をいたしますのが多くのNYCの私立の学校を主体にコンタクトをとりつけ、映画の上映をしていただく、学校などの資料なども次回、酒井様(KFTF事務局長)にお渡しいたします。 この映画をプロモートするチャンスは、沢山あると思います。 まさにLydiaがいった言葉に私達の気持ちが集約されるのですが、"世界中で日本は、ただ1つの原爆を落とされた国、そしてアメリカは、ただ1つの落とした国、だから日本人とアメリカ人は、核の恐ろしさを世界中の人達、特に若い世代に伝える義務がある” 私たちもできるだけのお手伝いをさせていただきたいとおもっております。何かあれば何ありとおしゃってください。 この映画のMessageが世界中の子供達に伝わる事を祈りつつ。 感謝を込めて 鈴木さんのメール(11月6日) 1.酒井(KFTF事務局長)さんの方から、間違いなくInternational Children's Film Festivalに作品が出品されましたというお話を聞いております。 Lydiaからの連絡ですと、選ばれた場合は、あちらの方より連絡が入り、その場合は、来年、2月中旬あたりから1ヶ月くらいマンハッタンでフィルムが上映されることになるようです。 11月7日の鈴木さんのメールには、「ハワイの大学に勤めている友人からDVDを数枚購入したいという問い合わせが来た。彼女のクラスで使用したいと述べている。」 と、ありました。 同日、わたしは、国連上映の際にリディアさんが、「子どもの通う学校で上映した・・・」との発言が気になり、どこの学校でどのようにして上映したのか、鈴木さんとリディアさんに問い合わせしました。すると、すぐに思いがけない返事がすぐに戻って来ました。 鈴木さんのメール(11月7日) 学校は、St. Luke‘s 487Hudson Street New York NY Lydiaの息子2人も私の娘も通っているマンハッタンでもっと小さいPKから8年生まである、私立の学校です。1学年、1クラスのみ。クラスは、23人をこえる事は、ありません。場所がWest Villageというリベラルの場所にあるため、学校の実にリベラル、かつCommunity Serviceに力をいれ、多くの子供達がVolunteer活動をしています。 Homelessのお弁当のPacking、Aidsの患者さんのお食事をServeするなど。 St. Luke‘sの上映に関しては、私の方からSocial Studyの先生、Allen先生にお願いをしました。3年前も被団協の小西先生を招待していただきました経路があり、先生自体が多くの社会活動をしている事もわかっておりましたので。 その際、7-8年生のみだったのですが、Allen先生にお願いをして恐らくなんらかの形でもしフィルムを気にいれば協力をしてくれるであろう、Lydiaを招待したのです。 これがすべての始まりです。 そして9日、鈴木さんのメールにリディア(Lydia Andre )さんは「Andre Communicationの社長」とあり、リディアさんの言葉で驚くべき子どもたちの行動が書かれていました。 鈴木さんのメール(11月9日) リディアさんの返答 友達のむつ子から誘われ、映画を鑑賞、又、息子のいる8年生の担任のAllen先生は、社会学の先生で日ごろより人権問題を良く子供達に教えてくれております。 私は、あの映画を見て本当に強く感動をしました。そしてこの映画を多く子供達(12歳以上くらいの)に核をわからせるために見せる事に意味があると感じたのです。又、息子がこの映画に深く感動をした同時に戦争に対して多くの疑問をなげかけてきました。しかしその段階で私は、息子の質問に対する答えがわからない、そんなことから自分なりにリサーチを始めたのです。 それと時期を同じくして、長崎1945の映画上映の後、Allen先生は、アメリカでは、最近、さらに核のために国家予算を増やすというとんでもない案がパス、これに対し、先生がこの有原さんの映画をみた生徒(8年生に)議員あてにこれに対しての意見書を書くことを提案、子供達は、全員が手紙を提出したのです。 このことをきっかけに息子、私、私の家族全員がこの運動にかかわり、そして多くの人にこの映画をみせ、核の恐ろしさを認識させることがいかに重要化を感じたのです。 実は、わたしはニューヨークで酒井KFTF事務局長から、「リディアさんは、“原爆投下は止むを得なかった。核兵器は必要”が自論の方で、映画を見て180度、劇的に変わった方」と聞いていました。ですが、上記のメールでとてもそのような方だったとは信じがたくなり、失礼を省みず「酒井さんから聞いた話は本当に事実か?」とリディアさんに問い合わせました。即日、リディアさんから次のような率直な返答がありました。 鈴木さん経由でのリディアさんの返答(11月9日) はい、そのとおりです。 お恥ずかしい話ですが、あの映画(NAGASAKI1945)をSt.Luke’sでみるまでは、私は、いつもあの戦争を終わらせるためには、核を使う以外に手段がなかった、そしてその結果、多くの人の命を救うことができたという説をずっと受け入れてきました。 しかし、今、あの映画をみたおかげで核のこと、戦争のことを理解をし、又あの映画上映のおかげで息子も戦争、核に対してよりより理解ができたことを深く感謝しています。 補足:(鈴木さん補足) アメリカのほとんどの人は、あの核の投下は、戦争を終結するために必要だった、あの投下のおかげで多くの命が救われたと信じております。又、多くの人は、広島をしっていてもあの3日後に長崎に核が投下された事実をしりません。 映画を制作した者として、これほどの喜びはありません。 「NAGASAKI1945アンゼラスの鐘」は、製作企画当初から海外の若者たちに見てもらえるものを制作する、との位置づけがありました。それは、ご高齢となった被爆者の方々の証言活動がむずかしくなった時代に必要なこととして企画され、製作を支援する長崎の市民のみなさんからの強い期待でもありました。事実、完成後の全国各地での試写会でも、たくさんの方々から英語版制作のためにと募金が寄せられました。 個人的は、93年に作った小学生向けのピース・アニメ「つるにのって」(30分 世界65ヶ国以上に似普及)で試みた「観客である子どもたちの発達段階に配慮し、視覚的な残虐性表現を適度に抑制しながら核兵器の残虐性を伝え、平和を希求する人間のすばらしさを伝える」という手法を、「アンゼラスの鐘」で中・高校生向けに試みたことが、はたしてどのように受け止めてもらえるのかという強い関心がありました。 その英字幕入り作品が2006年の2月に完成後、「アンゼラスの鐘」は、ドイツ、フランス、コペンハーゲン、香港、韓国、シンガポールなどの映画祭で紹介され、それぞれの場所で、「ヒロシマは知っていたが、ナガサキであったことをはじめて知った」「教育的に力がある」「核兵器がこんなにおそろしいとは初めて知った」などの積極的評価を頂いたのですが、肝心の原爆を投下したアメリカで果たしてどのように受け止めてもらえるのか、正直言って大いなる不安でした。 その杞憂は、St.Luke’s Schoolの子どもたちとリディアさんの映画を見ての感想と行動で吹き飛んでしまいました。そして、11月13日朝、さらなるビッグニュースが飛び込んで来ました。 鈴木さんのメール(11月13日) Great News!! こんにちわ。今日は、嬉しいNewsです。 なんとSt.Luke‘sの生徒(7年生、8年生、年は、11歳から14歳)がNY州の議員にだした手紙に対して、先週、Allen先生あてにHillary Clinton(そうですあの現在、もっとも時期大統領に近いとされるクリントンです。NYの Senator《上院議員》 は、ShumerとClintonです。)からの返事が届き、そこには、有原さんたちの作品、Angelus Bell, Nagasaki 1945の名前があがってきます。 子供達がこのAngelusBell,Nagasaki1945を見てから核のことをしり、核を廃絶してもらいたいという内容のことを書いた結果です。 以下は、添付されて届いたヒラリー上院議員の手紙と、その翻訳です。 ![]() 8学年の生徒様 このたびは、心のこもったお便りを有難うございました。若い人達からお便りを頂き、読ませていただき、とても嬉しく思います。お便りから、皆さんがどのようなことに関心があり、どのようなことを気遣っておられるのかがわかりました。 更に、ご意見を嬉しく思います。日本のアニメーション映画「1945・長崎アンゼラスの鐘」についての感想をお聞かせいただき有難うございました。 皆さんの先生宛に資料を同封しましたが、クラスの皆さんが気に入ってくださると思います。 どうぞいつも、私達の地域や国に関わる問題に興味を持ち続け、皆さんのご意見をいつも聞かせてください。皆さんが(世の中を)変えることができる、ということを忘れないで下さい。 お忙しい中、私にお手紙を書いていただき有難うございました。 心をこめて ヒラリー・ロダム・クリントン (翻訳は、長崎の前川智子さん) St.Luke’s Schoolは私学と聞きましたが、私学だからこうした実践的な平和教育が可能なのでしょうか。日本の私立中学校ではいかがでしょうか。日本の公立の小中学校の多くは、平和教育用の映画を子どもたちに見た場合、感想文を書かせておしまいをせざるを得ないのが実情です。政府の施策について子どもたちに考えさせ、子どもたちの意見を国会議員たちに書き送ろうものなら、即、偏向教育と指弾され、指導した教師は教育委員会に呼び出され、研修所送りとなりかねません。 ヒラリー上院議員の手紙にも感心しました。核兵器政策には一言も触れてはいませんが、すばやい対応で、子どもたちと教師を励ます内容となっています。 「アンゼラスの鐘」原爆を落とした国で、特にKFTFやSt.Luke’s Schoolの子どもたちと出会えたことはとても幸運なことでした。鈴木さんやリディアさんに寄れば、周辺の学校にも広げるとありますから、また、新しいドラマが生まれて送り届けられことでしょう。 国連上映を準備し支えて下さった方々に感謝しつつ、わたしの報告を終わります。 「NAGASAKI1945 アンゼラスの鐘」監督 有原誠治
うれしいニュースです。 有原監督より、「アンゼラスの鐘」が 国連で上映される運びとなったとのお知らせが届きました。 ![]() 10月25日にニューヨークの国連で上映 有原 誠治 2005 年に私たちが製作した長編アニメーション「NAGASAKI1945 アンゼラスの鐘」(80分)が、10 月の 国連軍縮週間のなかで上映の運びとなりました。 ![]() ニューヨークを中心に「アンゼラスの鐘」の上映を進めているNPO 団体、KIDS FOR THE FUTURE(KFTF)の酒井事務局長から虫プロダクションと私に届いたメールによれば、軍縮週間中の10 月25日に国連オーディトリアムで「NAGASAKI 1945アンゼラスの鐘」が上映される運びとなったとありました。「主催は、国連軍縮部とNGO 国連軍縮と弊会(KFTF)、そして後援が日本国国連大使(日本国)という事になります」とあり、具体的な上映準備は国連軍縮部とNGO 国連軍縮で活動を40年続けているマサコ・E・ロンドンが担当とありました。「マサコさんと国連のほうで、マスコミを数十社呼ぶので、御社のこの映画にかける思いを語って頂くことができ、核廃絶を世界に訴える良い機会になるはずです。」「当日には、有原監督と伊藤様(虫プ ロ代表)にぜひ渡米して頂き、上映前にスピーチを御願いしたいと思います。」とありました。 私たちはこの機会に訪米し、作品といっしょに「核兵器は人類と共存できない」と訴えた秋月辰一郎先生の思いを伝えて来たいと思います。(有)
ニューヨークで「アンゼラスの鐘」を普及しているNPО団体KFTF(キッズ・フォー・ザ・フーチャー)より、この夏の上映計画についてのお知らせがありました。 7月26日(木) ニューヨークの長崎会(バッテン会)と、広島会がはじめての合同親睦会を開催します。その中で、「アンゼラスの鐘」のトレーラー版(予告編)を上映し、 平和の集い(8月4日)iの本編上映に足を運ぶように促します。 8月4日(土) ユニバーサルピースデーという平和の集いで、 「アンゼラスの鐘」が上映りされます。 次のフライヤー(チラシ)は、現地で使用されているものです。 このフライヤーは、被爆により大切な人々が突然に消えてしまった悲しみの歌「夏の朝」を歌い続けていらっしゃる田中ルミ子さんのご提供です。 ![]() 「アンゼラスの鐘」のニューヨーク上映会の感想文に感動した有原監督が、その主催者であるKIDS FOR THE FUTURE(KFTF)の酒井良和 事務局長宛てに、上映会にどのようにとりくんでいるのか、昨年末にメールで問い合わせました。それにたいする酒井事務局長からの返信が、新年早々に届いたそうです。 そのお二人のメールの内容は、「アンゼラスの鐘」に込められた制作的配慮(意図)と、それをアメリカの人々がどのように受け止めたのかを知ることができる、大変興味深い内容でした。そこで、有原監督と酒井事務局長ご両人の了解の下に、このブログに紹介することにしました。 有原監督から酒井さんへ 2006/12/20 はじめまして 「NAGASAKI1945 アンゼラスの鐘」の監督をつとめた有原です。 伊藤社長(虫プロ)経由で酒井さんのメールを拝見し、感想文のサイトも拝見しました。 ありがとうございます。とても、すばらしいクリスマスプレゼントです。 「アンゼラスの鐘」のアメリカでの上映は、制作支援をしてくださった被爆者や長崎市民の強い要望でした。 しかし、どうやって実現するのか、とてもむずかしい課題と思っていました。それが思いがけなくもKFTFの皆さんのお力で実現できたこと、感謝しております。また、こうして上映と感想文で交流できることは、わたしたち製作スタッフにとって、とても大きな励ましとなります。 アメリカでの上映のむずかしさは、原爆投下側であるということに加え、(平和活動などに参加する人々が)子どもたちに与える映像の暴力性や残虐性にとても用心深いお国柄であると、感じていたからです。 1995年の8月に、広島のサダコを描いた「つるにのって」という短編アニメーションを携えて、ニューメキシコ州のアルパカーキーを訪問し、アメリカの平和活動家たちと交流したときのことです。上映会場に、数組の家族連れがいました。上映が始まって被爆シーンが近づくと、親たちが子どもの手をとって上映会場から連れだしてしまいました。小さな子どもたち向けの作品だけに、私たちは肉体の損傷などの描写を極力抑えながらも工夫し、放射能の恐ろしさや平和を希求することの大切さを丁寧に描いた作品でした。ですから、できれば最後まで見てほしかったので、とても残念な思いがしました。そう思いつつも、日本ではまず見ることのできない親たちの配慮と行動に感心もしました。 「アンゼラスの鐘」も、視覚的な残虐性の表現は抑えています。が、青少年向けの作品なので、「つるにのって」よりは被爆シーンの衝撃性を強め、焼死体を描くなど、表現領域を広げています。ですから、「ぜひ、観てほしい」との願いとは別に、アルパカーキーでの体験から、アメリカでの上映はとてもむずかしいものだろうと思っていました。それが、思いがけなくも酒井さんたちのご尽力で実現できて、上映活動が広がりつつあり、子どもたちの感想も伝わってくるようになりました。本当にありがとうございます。 わたしは、平和教育用の映像の役割は子どもたちの想像力の手助けをすることであって、見るに耐え難い残虐性を押し付けることではないと考えています。特に、動く映像、音楽や効果音の伴う映像にはそうした配慮が必要と考えます。平和教育は、戦場と同じ用に心的外傷後ストレス障害を子どもたちに与えることが目的ではありません。ところが、「死臭の臭いがするような映像でなければ、本当の残虐性や平和の尊さは伝わらない」と考える人々がいます。 作品はさまざまあって良いのですが、表現者や提供する側に深い思いやりや配慮があってこそ、子どもたちに思いは(平和の尊さ)は伝わると思うのです。視覚的残虐性を抑えつつ、核兵器の残虐性をどのように描きつたえるのか。詳しい工夫は述べませんが、とても悩みつつ今度の映画にも取り組んできました。そのことが検証できる唯一の方法が、観客である子どもたちの反応や感想文です。 そんなわけで、こんどの感想文はわたしにとってはとても貴重な財産となります。 質問もさせてください。 ○映画を広めるスタッフは何人ですか。その中に、日本人以外の方も参加されていますか。 ○9日の上映会では、日本人以外の観客はどれほどの比率でしょうか。 ○また、被爆シーンがあると知って会場から出てゆく人はいなかったのでしょうか。 ○観終えてからの話し合いや交流はあるのでしょうか。 ○展示用の被爆写真パネルはお持ちですか。(映画で描ききれなかったことを知らせるに良い方法です) ○上映箇所は16ヶ箇所と聞いていますが、今後、広がる可能性はあるのでしょうか。 急ぐ質問ではありませんので、お時間のあるときにお願いいたします。 有原誠治 酒井良和事務局長から有原監督へ 2007/01/04 あけましておめでとうございます。 昨年度は、お世話になりました。今年度も引き続き、アンゼラスの鐘上映会を米国内で精一杯させて頂き、平和の重要性を訴えていきます。ご支援の程、どうぞよろしくお願い致します。 返信が遅れまして、申し訳ございません。 確かに仰る通り、アメリカでは、映像に関してかなり厳しい制限が設けられています。弊会でも10フィートフィルムを上映していたのですが、実際の映像が使用されてあり、その酷さと惨さを小中学校の生徒に上映することは、できない状態でした。 弊会も同感で、実際の映像や残虐性を見て戦争を撲滅しなければいけないと思う事ができるのは、精神的に耐える事ができる大人であって、子供ではないと思います。子供の想像力は、大人の我々よりも遥かに大き いです。ですので、年齢層に適した平和教育が必要なのでは、と考えています。アンゼラスの鐘では、あれだけキレイだった町が一瞬で灰になり、貧しいながらも幸せに暮らしていた人達が、地獄のような状態になってしまった。家族と死別した子供が泣き止まず、とうとう死んでしまう。そして、秋月先生が、原爆を日本が発明したと言って喜んで来た男性に烈火の如くに怒るシーン。アンゼラスの鐘はそういったシーンを巧く映し出し、子供が目を背ける訳ではなく直視して戦争の残虐性と悲惨さを想像力を掻き立てながら伝えいている、素晴らしい作品です。 弊会サイト上に載せましたが、10才の子供が一文だけ書いてくれました。映画を見た素直な一文でした。他の戦争映画を見た場合、ここまで簡潔で素直な感想が出てくるのかと思うと、中々出てこないのではと思います。アンゼラスの鐘は、本当に素晴らしい作品だとスタッフ一同、今回の上映会を通して、あらためて思いました。本当にありがとうございました。 ○映画を広めるスタッフは何人ですか。その中に、日本人以外の方も参加されていますか。 ーースタッフは、弊会から5人(米人1)、映画会場からのスタッフ5人(米人4)でした。 ○9日の上映会では、日本人以外の観客はどれほどの比率でしょうか。 ーー3分の1はアメリカの方でした。 ○また、被爆シーンがあると知って会場から出てゆく人はいなかったのでしょうか。 ーー全くいませんでした。 ○観終えてからの話し合いや交流はあるのでしょうか。 ーー予定はなかったのですが、アンケートを書いて頂いた後に、通路でスタッフと観客が平和への思いを語りました。それと、アンケートに上映会の希望欄を用意した結果、30人中5名程度の方が、アンゼラスの鐘の上映会を申し込んできました。これに関しては、吟味して決定をしていきます。 ○展示用の被爆写真パネルはお持ちですか。(映画で描ききれなかったことを知らせるに良い方法です) ーー弊会では無いのですが、どこかの団体が国連で使用したパネルを、西本願寺仏教会が保存しています。それを借りる事ができます。規模がある程度大きくなった場合に、使用しようかと思っています。前回、写真家の土田ヒロミさんから寄付して頂いた本を持って、上映会前に見せました。本のタイトルは、「ヒロシマ・コレクション(NHK出版)」です。これも想像力をかき立てる素晴らしい作品です。 ○上映箇所は16ヶ箇所と聞いていますが、今後、広がる可能性はあるのでしょうか。 ーーはい。上映会を広める為に、上映会をしたい人・団体を公募していきます。大きな平和のうねりにするために、多くの場所で上映会をする事が、弊会の義務と思い、精一杯活動をしていく所存です。 今日、プリンストン日系人会から上映会の申し込みがありました。 上映会の開催が決まりましたら、ご連絡致します。 それと、1月9日は、ニューヨーク日系人会で上映会を開催致します。 JACLという、日系2世3世4世の方も参加します。アメリカで強制収容所にいた方も来るようです。 この上映会を通して、戦争体験者と子供達が交流する機会ができるのも、非常に嬉しい事です。 これからもどうぞよろしくお願い致します。 酒井良和 事務局長 KIDS FOR THE FUTURE 264 West 40th St. Suite 701 New York, NY 10018 TEL: (212) 704 - 0300 Cell: (914) 844 -4259 http://www.kftf.org sakai@kftf.org
アメリカで 「アンゼラスの鐘」の上映活動に取り組んでいるNPO団体キッズ フォー ザ フーチャー( KIDS FOR THE FUTURE=以下kftf)の酒井良和さんから、虫プロダクション宛に、ニューヨークでの上映が成功したとのニュースが、感想文といっしょに届きました。 酒井さんからのメール 12月9日に開催した”アンゼラスの鐘”上映会が 成功功しました事をご報告致します。 シアターのスケジュールの関係上、宣伝する時間もなく、しかも、 会場は30席程度しかない 場所でしたが、ほぼ満席状態でした。 映画の上映中、あちらこちらですすり泣く声が聞こえ、上映終了後のアンケートには(出席者の 半数が書いてくれまました)、10歳児が感じた素直な気持ちや、この上映会を(その方が通っている)大学でぜひ開催したい等々、平和への輪が広がった事を実感しました。 アンケート結果は、弊会サイトにアップしました。 http://www.kftf.org/news_J/questionnaire/ 掲載してある情報は、ご自由にお使い下さい。 感想文は、酒井さんが紹介しているサイトで読むことも可能ですが、その中のいくつかをご紹介します。 ○すごくかなしくて、これがもう1かいおこらないように、ねがっています。せんそうを、やめてほしい。男性(10) ○It was very moving and definitely educational for children. I realized again the importance of peace. I'd like to spread the message to the world especially as a Japanese whose country has the experience of nuclear bombing. (間違いなく子供達の教育に使える、感動的な映画でした。そして、平和の重要性を再認識しました。原爆被災国の国民として、世界に向けて”平和の重要性”というメッセージを伝えていきたいです。) 女性(#) ○とても良い映画でした。長崎広島の映画を数々見ておりますが、メッセージがとても強く伝わってきました。戦争が無くなる事を祈ります。ありがとうございました。女性(39) ○This was a great filming and it really motivates you to promote World Peace. (世界平和を促進するため、人々に刺激を与える素晴らしい映画でした。) 男性(25) ○ぜひ、学校での上映をしたいと思っております。実現するまで時間がかかるとは思いますが、よろしくお願いします。男性(24)
うれしいお知らせです。 アメリカで「アンゼラスの鐘」の上映活動が広がります。 ニューヨークのNPO KIDS FOR THE FUTURE http://www.kftf.org が、「アンゼラスの鐘」をニューヨークの大学やコネチカットの小・中学校などで上映します。とりあえず分かっている場所は、次の16箇所です。 これを契機に、どんどん広がって欲しいものです。 1. Binghanton University: Japanese History 2. New York University 3. Connecticut Darien Elementary School 4. Connecticut Darien Middle School 5. Japan Society 6. Public Libraries (Connecticut, New Jersey, and New York areas) -- Cliffside Park Public Library -- Fort Lee Public Library -- Hoboken Public Library -- Inglewood Public Library -- Yonkers Riverfront Library -- Yonkers Will Ribrary -- Hartford Public Library -- Norwalk Public Library 7. Anthology Film Archives 8. コネチカットスタッフ宅上映会 9. Kids International (キッズ国際学園) 10. John Jay College 11. Pioneer Theater 12. Boston University 13. University of Scranton 14. Montgmery College 15. Chaminade University 16. Honolulu Community College
お茶の間映画祭で「アンゼラスの鐘」が上映されます。 この10月、子供からお年寄りまで楽しめる、心温まる日本映画を11本上映する映画祭「Chanoma Film Festival 2006」(チャノマ・フィルム・フェスティバル2006)が、ウエスト・ハリウッドのLaemmle's Sunset 5で開催されます。 作品は、『NAGASAKI・1945 アンゼラスの鐘』を始め、『雪に願うこと』(2005年度東京国際映画祭でグランプリを含む4冠を獲得)、『沙羅双樹』(2003年カンヌ映画祭招待作品)、『雨鱒の川』、『スクール・ウォーズ HERO』『HINOKIO ヒノキオ』など。 ○「アンゼラスの鐘」の上映スケジュールは 10月21日(日)2:20pm~ 10月23日 (月) 2:00pm~ 10月25日 (水) 7:00pm~ ○チケットは、現地の以下のところで販売しているそうです。 ・紀伊国屋書店(リトル東京)213-687-4480 ・旭屋書店(トーランス 310-787-0700, ウエストLA 310-575-3303) ・三省堂書店(コスタメサ) 714-556-2200 ・楓書房(トーランス)310-324-9892 ・ヤマシーフード (サンガブリエル)626-281-8045 ・セレクタ(ハリウッド)323-934-2377 ・http://www.chanomafilmfestival.org/(オンライン販売) Chanoma Film Festivalとは? 日本文化のチャノマ(家庭)からの視点で捉えた映画を上映することで、改めて「自分にとって家族とは何か」を問い直すきっかけを与え、また、多くのアメリカ人、日系人の方々の日本理解を高め、日米の相互文化交流を促すことを目的とした、文化的・社会的意義の高い映画祭だそうです。 ●詳しくは、次のサイトでご確認ください。 " target="_blank">http://www.chanomafilmfestival.org/j/index.htm
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